spect1975のブログ

門前薬局で長期勤務歴のある薬剤師です。主には皮膚科関連に強みを持っています

内臓脂肪減少薬「アライ」28日間使用経過報告

【方針】
アライの作用機序を考慮すると、脂っこい食事を摂った時でしか服用する意義がないため、夕のみ1日1回服用することとします(本来は毎食後に1日3回しっかり飲むべき薬です)。
基本的な生活習慣においては、普段ほぼゴロゴロして、まず運動はしないためなるべく歩くようにはしています。食事は朝抜き、昼に軽食で夕に多めです。(いけないのは分かっていますが)夜間、特に寝ていて途中で起きた時などにお菓子を食べてしまう癖があります。

【経過】
・15日目(5月16日)
体  重:59.4kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:6,069歩
便  通:やや下痢傾向。腹部に鈍痛が続く。
特記事項:放屁時の油漏れが再発。寝具も汚してしまう。

・16日目(5月17日)
体  重:59.3kg
体  脂  肪:25.4%
歩  数:4,681歩
便  通:異常なし。
特記事項:油漏れはないものの、湿疹がなかなか治らず。薬のせいか?

・17日目(5月18日)
体  重:59.3kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:7,580歩
便  通:軟便と軽い下腹部の鈍痛が続く。
特記事項:特になし

・18日目(5月19日)
体  重:59.7kg
体  脂  肪:25.4%
歩  数:3,729歩
便  通:下痢状態が続く。
特記事項:再度油便と放屁時の油漏れが気になる。

・19日目(5月20日)
体  重:59.8kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:6,243歩
便  通:下痢傾向。特に午後にひどい。
特記事項:早朝に油液が漏れ、また寝具を汚しそうになる。それ以降は異常なし。

20日目(5月21日)
体  重:59.4kg
体  脂  肪:25.4%
歩  数:4,698歩
便  通:少量便が複数回。やや軟便。
特記事項: 

・21日目(5月22日)
体  重:59.5kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:3,274歩
便  通:下痢効果が長く続く。
特記事項:トイレに行くたびに油便が出る。

・22日目(5月23日)
体  重:59.9kg
体  脂  肪:25.4%
歩  数:4,864歩
便  通:前日同様下痢傾向
特記事項:数日間油便が継続、下腹部の軽い鈍痛が続く。

・23日目(5月24日)
体  重:60.1kg
体  脂  肪:25.7%
歩  数:9,082歩
便  通:異常なし。
特記事項:引き続き油漏れあり、下腹部の鈍痛も数時間あり。

・24日目(5月25日)
体  重:59.6kg
体  脂  肪:25.6%
歩  数:8,246歩
便  通:午後にひどい下痢が出る。
特記事項:油漏れと鈍痛は引き続く。

・25日目(5月26日)
体  重:59.6kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:5,109歩
便  通:便がほぼ出ず。
特記事項:異常なし。

・26日目(5月27日)
体  重:59.8kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:3,735歩
便  通:問題なし。
特記事項:トイレ時に少し便に油が混じる。

・27日目(5月28日)
体  重:60.0kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:4,216歩
便  通:午後に少し下痢あり。
特記事項:異常なし。

・28日目(5月29日)
体  重:59.4kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:6,408歩
便  通:問題なし。
特記事項:再度便と共に油が出始める。皮膚炎がようやく治り始める。

【28日間継続後結果】
効  果:体重と腹囲は誤差範囲内で改善なし。体脂肪率だけは少しは改善?
副  作  用:便や放屁に伴う油漏れが、数日おきでひどくなったり止んだりの繰り返し。かつ下腹部というか直腸付近の鈍痛が結構続くことがありました。また、他人からすると、部屋に異様な臭いが漂っているとのことです。寝具についた油などは結構しっかり洗ったつもりですが、もしかしたら染み付いてしまっているかも・・・。これは、体にも臭いがついてしまうと結構厄介なことになるかもしれません(臭いって自分では分からないので)。今のところは油漏れと皮膚疾患以外の異常はありません。
感  想:はっきり言って効果に対して、副作用のキツさの方が断然勝っているという感じです。ブログを書くという目的がなければとっくに途中で止めていました。ただ、ここまでせっかくやったのでもう少し続けようと思います。
特記事項:あまりにも効果が出なさすぎるため、ほぼ油分がないと思われる食事を除き1日2回にする予定。また、併用薬としてはイトラコナゾール50mg/日を継続中。

これを読めば便秘のすべてが分かる。便秘最新治療完全版

No.12 便秘治療ガイダンス

目次

  1. そもそも便秘ってどのような状態を言うの?
  2. 便秘にはどのような種類があるの?
  3. 慢性便秘症はどのように診断されるの?
  4. 便秘を引き起こしやすくする病気はあるの?
  5. 便秘を引き起こしやすい薬剤ってどのくらいあるの?
  6. 便秘にはどんな種類の薬があるの?
    (1)膨張性下剤(ポリフルなど)
    (2)浸透圧性下剤(酸化マグネシウム、モビコール、ラグノスNFなど)
    (3)刺激性下剤(プルゼニド、テレミンソフト坐薬など)
    (4)粘膜上皮機能変容薬(アミティーザ、リンゼス)
    (5)胆汁酸トランスポーター阻害薬(グーフィス)
  7. 便秘に対して薬以外で、生活習慣や食事療法では対策はないの?
  8. 便秘に効く漢方薬ってたくさんあるけどどれがいいの?
  9. 便秘のまとめ!

 

1. そもそも便秘ってどのような状態を言うの?

まず便秘とはどのようなものを言うのでしょうか。毎日しっかり排便がなければ?毎日排便があっても少量しか出なければ?そこをはっきりさせる必要があります。
正しい便秘の定義とは「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排泄回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責(※1)、残便感、腸直肛門の閉塞感、排便困難感を認める状態」とされています。少しわかりづらいですね。要は、本来排出すべき便を充分量かつ快適に排出できない状態ということです。また別に、その便秘が長期に渡り、生活上に支障が出る状態を「慢性便秘症」と言います。こちらは定義上では、「慢性的に続く便秘のために日常生活に支障をきたしたり、身体にも様々な支障をきたしうる病態」とされています。

(※1)怒責とは、排便時のいきみ、すなわちお腹などに力を入れて力むこと。

目次に戻る

2.便秘にはどのような種類があるの?

「慢性便秘症」に関しては、一次性と二次性に大別されます。すごく大まかにいうと、腸自体の何らかの異常によるものが一次性、薬や他の病気など腸以外に原因があるものが二次性です。先日書いたブログの頭痛の種類分けとよく似ていますね。

(1)一次性便秘症
a.機能性(※2)便秘症
・便秘型過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(以下略症のIBSと記述)の一種です。IBSとは、排便により改善する腹痛や便秘および下痢などの便通異常(今回の場合は便秘型より便秘異常)が主な症状が慢性的に続き、症状の原因となる病気がない疾患です。原因はいまだはっきりと判明していませんが、ストレスや緊張、不安などが関与すると言われています。
・大腸通過正常型便秘
大腸が便を送る働きは正常でも、排便回数や量が減少してしまうタイプです。少食や特に食物繊維の不足が原因となることが多いです。
・大腸通過遅延型便秘
大腸が便を送る働きが低下しているため、排便回数や量が減少してしまうタイプで、主に弛緩性便秘に分類されます。近位大腸(入り口すなわち小腸に近い部位)に便が溜まりやすいのが特徴です。原因不明の場合が多く、薬剤によるものもあります。また、このタイプでは食物繊維を摂り過ぎることで便のカサが増大し、かえって症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。
・機能性便排出障害
便の硬さに問題はなく、肛門付近で便が溜まっている状態にも関わらず、排便が困難で不快感がある状態です。
b.非狭窄性器質性(※3)便秘症
・小腸・結腸障害型便秘
腸が物理的に狭くはないのですが、腸の動きが悪いことで起こるものです。慢性偽性腸閉塞などが原因となります。
・器質性便排出障害
直腸の形が変形してしまい、体外へ十分に便を排出できない状態です。この障害では、大腸がんやクローン病などが背後にある可能性があります。

(2)二次性便秘症
・薬剤性便秘症
抗コリン作用を有する薬剤の副作用でによるものです。抗コリン薬の効果の一つとして、消化管の働きを抑えることで下痢や腹痛を改善するものがあります。それが過剰に働くことで便秘になってしまうことが多いです。どんな薬に多いかというと、抗パーキンソン病薬、三環系抗うつ薬(頭痛の回に出てきたアミトリプチリンが代表です)、抗精神病薬がそれに当たります。
・症候性便秘症
特定の病気が原因で起こる病気です。詳細は下記4.の項に記します。
・狭窄性器質性便秘症
臓器などが物理的に狭くなり、排出困難になる便秘です。原因には大腸がんや腸管炎症などがあります。

(※2)機能性とは、臓器そのものに異常がないにも関わらず、何らかの自覚症状だけはある状態を言います。よって、血液検査やCT検査などでは異常は認めらないものです。
(※3)器質性とは、臓器そのものに明らかな異常が認められる状態で、大腸であれば内視鏡検査などで明らかな炎症や病態が見られるものです。

目次に戻る

3.慢性便秘症はどのように診断されるの?

「慢性便秘症」の診断は、便の形、排便回数および怒責、残便感、排便時の介助などを考慮して、下記の表を参照したものとします。

慢性便秘症の診断基準(Rome Ⅳ診断基準)
(1)「便秘症」の診断基準
以下の6項目のうち、2項目以上を満たすことが条件。
・便形状:排便時の4回に1回以上で、うさぎ状のコロコロ便か硬い便であること。
・排便頻度:自然に便意を催し排便を行う回数が、週に3回未満であること。
・怒責:排便時の4回に1回以上で、強くいきむ必要があること。
・残便感:排便時の4回に1回以上で、残便感を感じること。
・閉塞感・困難感:排便時の4回に1回以上で、肛門部の閉塞感や排便困難感があること。
・排便時の手での介助:排便時の4回に1回以上で、他人に排便介助を必要とすること。

(2)「慢性」の診断基準
6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は上記の基準を満たしていること。ただし、「日常診断」(※4)においては、患者を診察する医師の判断に委ねる。

上記の診断基準により、排便が2〜3日に1度しかない状態であっても、本人にお腹が張っている感じや便が溜まっている自覚がなく、排便時もスッキリ感があれば「便秘症」ではないので、薬を飲んだり治療をする必要はありません。逆に、毎日排便があったとしても、常に腹部に不快感があり排便しにくい状態があればそれは「便秘症」であると診断されます。

(※4)日常診断とは、医師が直接患者を診察し、症状や検査結果などから総合的に判断するような、一般的な診察法のことです。

目次に戻る

4.便秘を引き起こしやすくする病気はあるの?

便秘は一見何の関係もないと思われるような疾患により引き起こされることがあります。その原因は様々であり、パーキンソン病などの特定の疾患では相互に関係することもあります。
(1)内分泌・代謝疾患

a.糖尿病
高血糖状態が継続すると、自律神経障害が起きることで便秘や下痢などの排便の異常をきたすことがあります。
b.甲状腺機能低下症
甲状腺は蠕動運動の調節を行っているため、それが低下した状態にあると便秘を引き起こします。
(2)神経疾患
a.パーキンソン病
パーキンソン病の発症リスクが、便秘でない患者に比べて便秘症の方が6.5倍であるとのデータもあります。
①レビー小体の影響:パーキンソン病では、(認知症の原因にもなっている)レビー小体と呼ばれるタンパク質がたまっており、それが腸管の神経系に障害をきたすため起こります。
②運動量の減少:パーキンソン病ドパミンが減少する疾患であり、ドパミン不足は運動の障害や意欲の低下が起こします。それにより、運動不足が発生し、腸管の蠕動運動がうまく働かず起きます。
③腸内細菌叢の変化:パーキンソン病が進行すると、腸内を正常に保つ酪酸を産生する「ロゼブリア属」や「フィーカリバクテリウム属」の細菌が次第に減少していきます。よって、腸内が乱れることで便秘になると言われています。
b.脳血管疾患
(3)精神疾患
うつや統合失調症の方には、慢性便秘症が多い傾向があります。また、それらの治療薬にも原因があり、抗コリン作用を有するものが多いためでもあります。

目次に戻る

5.便秘を引き起こしやすい薬剤ってどのくらいあるの?

便秘の種類を説明する項にて、抗コリン作用を有する薬剤は引き起こしやすいと記述しましたが、他にも数多くの慢性便秘を引き起こすものがあります。薬を多種類飲んでいて便秘を起こしている方は、もしかしたらその薬剤が原因かもしれません。

(1)制吐剤:5-HT3受容体拮抗作用による
薬品名:グラニセトロン、ラモセトロン、パロノセトロン

(2)抗コリン薬
薬品名:アトロピン、三環系抗うつ薬、第一世代の抗ヒスタミン薬など

(3)向精神薬抗コリン作用による
薬品名:抗精神病薬抗うつ薬

(4)抗パーキンソン病薬:主に抗コリン作用による
薬品名:ドパミン作動薬、ビペリデンなど

(5)オピオイド(麻薬性鎮痛薬):オピオイドμ2受容体の作用による
薬品名:モルヒネオキシコドンコデインフェンタニル、トラマドール

(6)化学療法薬:末梢神経障害などによる
薬品名:植物アルカロイド(ビンクリスチンなど)、シクロホスファミドなど

(7)Ca拮抗薬:腸管平滑筋へのカルシウムの流入を抑制することによる
薬品名:ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンなど

(8)制酸薬:消化管運動抑制作用による
薬品名:アルミニウム含有薬(水酸化アルミニウムスクラルファートなど)

目次に戻る

6.便秘にはどんな種類の薬があるの?

(1)膨張性下剤
腸内の水分を取り込むことで便を膨張させ、軟らかくすることで生理的な排便を促します。即効性や強力な作用はなく、軽微な便秘によくされ、現状推奨度としては弱い部類です。ただしその分、耐性や習慣性はなく安全に使用できます。
・ポリカルフィルCa:ポリフル
過敏性腸症候群の適応があります。

目次に戻る

(2)浸透圧下剤
浸透圧下剤は浸透圧の差を利用し、機械的に腸内で水分の分泌を起こすことで便を軟らかくし、排便回数を増加させるものです。効力や安全性を考慮すると現在最も推奨されている下剤であり、推奨度も高い薬です。特に、大腸正常通過性便秘では効果が高いとされ、安価な薬剤は今ではかなり広く使われています。またその種類は4つに大別されています。
a.塩類下剤
塩類下剤の中では、酸化マグネシウム(通称:カマ)が最も使用され、安価でもあるため市販薬としても購入しやすいものとなっています。ただし、高マグネシウム血症(※5)を引き起こすことが最大の懸念点で、安易な長期使用により生命に関わることもあるため、腎障害を持っている高齢者の方には、カマは基本使用しないように強く推奨されています。具体的にはeGFRが30〜60の方は慎重に、30以下では使用を避けるべきです。
b.糖類下剤
糖類下剤は、消化管で吸収されない単糖類や二糖類の浸透圧の性質を利用し自然な排便を促します。ラクツロース製剤は通常高アンモニア血症に用いられてきたものですが、その中でも、ラグノスNF経口ゼリーが慢性便秘症にも適応になっています。
c.浸潤性下剤
湿潤性下剤は、界面活性作用により便の表面張力を低下させ、便に水分を浸透させることで柔らかくし、大腸や肛門を刺激することなく自然な排便を促します。他同種類剤よりも効果が弱いですが、耐性も生じにくく安全性が高いことから、多くの場合は、膨張性下剤や刺激性下剤に配合されています。
d.高分子化合物(PEG)
商品名としてモビコールが有名であり、用量に応じて効果が変わります。2歳以上の小児にも使用可能であるのも特徴です。また、便秘型過敏性腸症候群の方にも、腹痛に悪影響を与えることなく自然な排便回数を増やし、便の硬さや服部膨満感を改善するなど有効とされています。

目次に戻る

(3)刺激性下剤
刺激性下剤には、主にセンナやダイオウなどのアントラキノン系と、ラキソベロンの商品名で有名なピコスルファートのジフェニール系に大別されます。
刺激性下剤は効力は優れているのですが、長期間継続することで耐性がついたり習慣性が生まれやすかったり、水様性の下痢などの電解質異常や腹痛、脱水などを引き起こすことがあります。よって刺激性下剤を適正に使用するためには、まず生活習慣を改善したり浸透圧性下剤をまず行い、それらの効果が不十分であった時に使用し、必要最小限にとどめ、頓用か短期間での使用が基本となります。また、最近では新しいタイプの効力が高い下剤(下記の(4)粘膜上皮機能変容薬)が出てきたため、そちらを試すのも良いでしょう。
【医療用医薬品】便秘診療ガイドラインでは、アントラキノン系の方がより推奨
a.アントラキノン系
・センナ:プルゼニド(センノシド)
・センナ・センナジツ:アローゼン
・ダイオウ:ダイオウ末、大黄甘草湯、桃核承気湯、大承気湯など
b.ジフェニール系
・ビサコジル:テレミンソフト※坐剤のみ
効果発現までの時間が15〜60分と短く、特に肛門付近にまで便がきていて出ない場合に効果的です。
・ピコスフファート:ラキソベロン液体もあるため、状態によって調節しやすいです。

目次に戻る

(4)粘膜上皮機能変容薬
この薬の作用はすごくおおざっぱに言うと、強引に下痢のメカニズムを引き起こし、腸の水分分泌を促し便を軟らかくするものです。2012年に初登場と比較的新しい薬で、当然のことながら、上記のメカニズムから下痢の副作用が多いのが特徴です。現在2種類の薬が発売されており、少々作用の仕方が異なるもので、難しい話になるのでここでは割愛します。
・ルビプロストン:アミティーザ(クロライドチャネルアクチベーター)
日本の市販後調査でも、1年弱の長期間で80%以上とかなり高い有効性が示されました。特徴としては、動物実験で流早産の頻度を増やしたため、妊婦は使用禁止であることです。また、悪心の副作用も比較的多く、特に若い女性に多いようです(原因不明)。悪心対策としては、食後30分以内に服用を徹底することで大分軽減できます。さらに、近年通常量の半量である、12μgのカプセルも発売され、作用や副作用の度合いに対して細かく調節できるようになりました。
・リナクロチド:リンゼス(グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬)
リナグロチドも同様に水分分泌を促進させます。ルビプロストンと異なる点は、腸の感覚過敏を抑えることにより腹痛などにも有効であり、便秘型過敏性腸症候群にも適応を持っています。さらに、下痢の副作用が多いことは同じですが、こちらは食後に飲むと効果が強く出過ぎるため、食事の30分が基本です。また、リナグロチドは常用量0.5mgの半量である0.25mgで発売されているため、通常1回2錠服用します。よって、下痢の副作用がひどければ、1回1錠として容易に調節も可能です。

目次に戻る

(5)胆汁酸トランスポーター阻害薬
・エロビキシバット:グーフィス
胆汁酸の主な役割は脂質の分解と吸収ですが、これが大腸内に入るとある反応に関与することで、最後には粘膜上皮機能変容薬と同じような作用をし水分分泌を増やします。それに加え、腸内の感覚神経に作用し、腸の収縮を促すように働くことで排便を促進する効果もあります。本剤は胆汁酸の上記の作用を利用するために、最終的に胆汁酸が大腸へ入る量を増やすように働きかける薬です。本剤はリナクロチドと同様に食事の30分前が基本であり、その理由は正反対で効果を上げるためです。胆汁酸は食事の刺激により放出しやすくなるため、その前に飲めばより胆汁酸の効果を高められるということです。
特徴としては、単に高齢者にだけでなく担癌患者、透析を含む慢性腎不全患者など合併症がある慢性便秘症患者にも有効であることです。

目次に戻る

【粘膜上皮機能変容薬と胆汁酸トランスポーター阻害薬の使い分け】
(4)と(5)の3種類の薬は慢性便秘症治療においても近年発売されたとても効果の高い薬ですが、使い分けが明確に示されていません。その作用の仕方や副作用により、ルビプロストンは若年女性以外の方、リナクロチドは腸の感覚過敏も抑えるため腹痛や腹部不快感を伴う方、エロビキシバットは腸の収縮も促す作用があることから、大腸の運動が低下している場合と、ある程度目処を立てることができると考えられます。

(※5)高マグネシウム血症とは、血清マグネシウム濃度がおおよそ2.5mg/dl以上で診断される。症状としては、軽度であれば吐き気などの消化器症状から筋力低下や傾眠、重症化すると呼吸抑制や心停止までもが起こる。原因としては、腎機能障害によるMg排泄低下や大量のMg摂取による。

目次に戻る

7. 便秘に対して薬以外で、生活習慣や食事療法では対策はないの?

a.運動療法
軽度な運動であっても腸への刺激や自律神経の活発化により、便秘改善の助けになります。特に、有酸素運動が症状改善に有効であると言われています。さらに、食物繊維の効果が、活動量の低い人では薄くなってしまう可能性もあります。
また、1日15分かつ週5回の腹壁マッサージも、慢性便秘症に有効であったと報告もあります。
b.食事療法
・食物繊維
便秘には食物繊維が良い、とかなり言われています。ただし、摂取量との関係はあまり見られず、不足していた場合のみ関係するという報告があります。また前述通り、大腸通過遅延型便秘など便秘の種類によっては逆に悪化させる場合もあるため、適量を正しく摂ることが重要だと思われます。
ただし、発酵食物繊維であり日本でも多く使用されている、グアーガム分解物(※6)の摂取が、慢性便秘症に対して有意に排便回数を増やし、便秘薬使用量を減らせた報告があります。同様に、キウイフルーツやプルーン、オオバコ(サイリウム)の摂取でも、各々排便回数の増加に有効であると言われています。特に、キウイフルーツは摂取後の腸機能への影響を検討した結果、腸管内の水分量を増加させたと言う報告もあります。
・プロバイオティクス
プロバイオティクスとは、「適正量を摂取することにより宿主の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されています。一般的には、乳酸菌が含まれるヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品がそれにあたります。高齢者の慢性便秘症の方でも有効性が認められており、多剤服用の問題からまず試してみるのも良いかもしれません。
c.理学療法
・バイオフィードバック療法(※7)
とりわけ、骨盤底筋協調運動障害(協調運動障害とは、力んだりすると余計に肛門の筋肉を収縮させ便を出にくくする障害)による慢性便秘症に対して有効です。しかしながら、その専門性が高いため、専門で行っている施設での治療が推奨されます。

(※6)グアーガム分解物とは、インドやパキスタンで栽培されているグアー豆を生成した後、加工しやすいように水に溶けやすく処理されたもの。グアーガム分解物は様々な食品に水溶性食物繊維として添加されており、サプリメントとしても店頭や通販などで購入することが可能。働きとしては腸内細菌に発酵されやすく、短鎖脂肪酸を多く産み出すことで大腸の蠕動運動を活性化させて便通を改善する。
(※7)バイオフィードバック療法とは、身体の内部状態(例えば、筋肉の緊張、心拍数、皮膚の温度など)を視覚的または聴覚的なフィードバックを通じて患者に示し、その情報を基にして患者が自身の生理的な反応を調整する技術。便秘だけでなく、頭痛など他疾患にも応用されている。

目次に戻る

8. 便秘に効く漢方薬ってたくさんあるけどどれがいいの?

漢方薬は、複数の生薬の組み合わせでてくられていて、その構成生薬によってどの種類の便秘に効果的かがある程度想定がつきます。
生薬の中でも「大黄」と「芒硝」が主体となります。大黄の主成分はセンノシドであり腸刺激性下剤、芒硝の主成分は硫酸ナトリウムであり酸化マグネシウムと類似した作用を示すため、浸透圧下剤(塩類下剤)に位置します。また、両生薬は子宮収縮作用により流早産の危険性があるため、妊婦は避けることが望ましいとされています。

(1)便秘の基本処方
・大黄甘草湯
大黄の含有量が多く、構成生薬は大黄と甘草のみ漢方薬は一般的には、構成生薬の数が少ないほど、即効性があり強く、短期向きです)で、便秘に対する基本処方となります。

(2)イライラを伴う便秘向け処方
大黄と芒硝を共に有する漢方薬です。これらは、便秘を改善することで気の滞りや熱を取り除くことにより、便秘と共にイライラ感も解消することができます。
・桃核承気湯
大黄と芒硝が多く入っており、排便効果は漢方薬の中でも最強と言われています。よく顔がのぼせがちの方に効果的です。
防風通聖散
大黄と芒硝の用量が少ないため、排便作用はやや弱いものの、褐色細胞の活性化による脂肪減少も期待できます。よって肥満症を伴った便秘により効果的です。

(3)高齢者向け処方
これらの漢方薬には麻子仁という生薬が入っており、これは通常は潤滑油のような働きをして便通を改善します。さらには、クロライドチャネル活性化作用(アミティーザなどの粘膜上皮機能変容薬の類似作用)もあることも近年判明しています。
・潤腸湯
・麻子仁丸
甘草が入っていないため、偽アルドステロン症の副作用リスクがなく大腸通過正常型便秘の第一選択となりやすい。腸管の緊張や痙攣を伴うコロコロ便の時に効果があると考えられます。

(4)緊張を伴う腹痛を訴える患者向け処方
これらには芍薬という生薬が入っており、筋肉の緊張を和らげる作用があるため腹痛を伴う場合に適しています。
・桂枝加芍薬大黄湯
大黄も少し入っているため、便秘型過敏性腸症候群において痛みの軽減と排便の両方を期待できます。
・桂枝加芍薬
桂枝加芍薬大黄湯から大黄だけを取り除いたもので、マイルドな整腸作用を期待でき、特に便秘と下痢が交互にくるタイプの過敏性腸症候群の第一選択漢方薬されています。

(5)腹部膨満感を訴える患者向け処方
・大建中湯

大建中湯には、大腸運動亢進作用をもつ生薬として大黄は入っていおらず、代わりに山椒(と乾姜)がその作用を担います。山椒は大黄と比較してマイルドな作用であり、長期連用しても耐性がつきずらいため使いやすい漢方と言えます。また、山椒と乾姜の辛味成分を中心とした、セロトニンを介した蠕動運動促進や消化器機能改善により、大腸通過遅延型便秘の第一選択漢方薬とされています。

目次に戻る

9. 便秘のまとめ!

  • 便秘とは、本来排出すべき便を充分量かつ快適に排出できない状態であり、慢性便秘症とは、便秘が長期(半年以上前から3ヶ月間は便秘の基準を満たすこと)続き、日常生活に影響を及ぼす状態である。
  • 便秘の種類は腸自体に原因がある一次性、薬や他疾患など他に原因がある二次性に大別される。一次性の中には、大腸の働きは正常でも起こる大腸通過正常型、大腸の働きが低下して起こる大腸通過遅延型、便自体に問題はないが肛門付近で溜まってしまう機能性便排出障害、大腸癌などが原因で腸の変形により起こる器質性便排出障害などがある。二次性には、主に抗コリン作用を有する薬剤で起こる薬剤性便秘、他疾患が原因で起こる症候性便秘症、臓器が狭くなり排出困難が起こる狭窄性器質性便秘などがある。
  • 便秘を引き起こしやすい疾患には、糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病精神疾患脳梗塞などがある。
  • 下剤の種類には、膨張性下剤(ポリフルなど)、浸透圧差を利用して腸内に水分を分泌させる浸透圧下剤(酸化マグネシウムなど)、大腸を直接刺激して蠕動運動を促進する刺激性下剤(センノシドなど)、下痢のメカニズムを利用した粘膜上皮機能変容薬(アミティーザなど)、胆汁酸の作用を利用した胆汁酸トランスポーター阻害薬(グーフィス)など多種多様なものがあり、症状の種類や状態により使い分けていく。酸化マグネシウムの長期投与は、特に高齢者や腎障害患者では、高マグネシウム血症が出やすいため注意して使用。アントラキノン系である刺激性下剤のセンノシドなどは、連用や大量投与で効果が出ずらくなるため、安易な長期服用は厳禁。
  • 運動や食事でも軽度であれば改善できる。具体的には有酸素運動、腹圧マッサージ、食事では不足しない程度の食物繊維、特にキウイ・プルーン・オオバコ、プロバイオティクスなどが挙げられる。
  • 漢方薬では便秘の種類に対しての推奨は、過敏性腸症候群には桂枝加芍薬湯、大腸通過遅延型と機能性便排出障害には大建中湯、大腸通過正常型には麻子仁丸。高齢者には潤腸湯か麻子仁丸。排便効果の最強は桃核承気湯、ついで大黄甘草湯となる。

内臓脂肪減少薬「アライ」14日間使用経過報告

【方針】
アライの作用機序を考慮すると、脂っこい食事を摂った時でしか服用する意義がないため、夕のみ1日1回服用することとします(本来は毎食後に1日3回しっかり飲むべき薬です)。
基本的な生活習慣においては、普段ほぼゴロゴロして、まず運動はしないためなるべく歩くようにはしています。食事は朝抜き、昼に軽食で夕に多めです。(いけないのは分かっていますが)夜間、特に寝ていて途中で起きた時などにお菓子を食べてしまう癖があります。

【経過】
・8日目

体  重:59.4kg
体  脂  肪:25.6%
歩  数:5,480歩
便  通:問題なし。
特記事項:昼食にビュッフェに行きトンカツなど油ものを多く摂ったため、今日のみ昼も服用。口内の異常は消失。

・9日目
体  重:59.7kg
体  脂  肪:25.7%
歩  数:5,222歩
便  通:午前中に頻回の下痢があり。午後にも1回の下痢。ただし終日腹痛なし。
特記事項:トイレの排尿時において、再度尻から油が漏れ出す。それが何回もあり、トイレ内に異臭が残ってしまい、結構な時間それが継続。

・10日目
体  重:59.5kg
体  脂  肪:25.6%
歩  数:4,256歩
便  通:硬さは普通だが少量しか出ず。
特記事項:起床後と夕トイレで、放屁時に1回ずつ脂分が漏れるのみ。最近、夜間通常時間寝ても昼間にやたらと眠気が出て、昼に何時間も寝てしまうことが何回かあり。

・11日目
体  重:59.4kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:10,400歩
便  通:問題なし。 
特記事項:特になし。

・12日目
体  重:60.0kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:5,710歩
便  通:硬さは問題ないが、少量しか出なかった。
特記事項:特になし。

・13日目
体  重:59.9kg
体  脂  肪:25.6%
歩  数:4,296歩
便  通:午前に1回通常の排便、午後に2回ほど下痢あり。 
特記事項:尻からの油漏れが何日間か止まる。他異常もなし。

・14日目
体  重:59.6kg
体  脂  肪:25.6%
歩  数:5,107歩
便  通:少し柔らかめ、回数は2回。
特記事項:再度トイレにて油漏れあり。胸にマラセチア毛包炎ができたため、イトラコナゾール50mg/日を併用することとなる。

【14日間継続後結果】
効  果:今回は飲み忘れはなかったのですが、1週間前と同様でほぼ誤差の範囲内です。
副  作  用:1日2回飲んだ日の後日に、明らかに脂便などの異常が激しかったです。ただ、全体的に見ると、放屁時の油漏れなどは大分減ってますが、前日の夕食と油漏れなどはあまり相関しない印象です。ギトギト料理で翌日出なかったと思えば、さほど油分がないものの後日でも何回か出ることがありました。他に関しては、全く異常はありません。
感  想:油を体外に出すということですが、思ったよりは油漏れが少なく、日常が過ごしやすくなった感はあります。オムツも途中から止めました。むしろそれにより、効いていないのでは?と感じており、やはり1日2回は飲むべきなのか悩みどころです(ただ昼食は本当に油は少な目より、薬の必要性を感じないためどうしたらいいでしょうか?)。
本当は2週間試す程度で飲んでいました。ただ、体脂肪率がなぜか急激に上がっているので、もう少し飲んで効果を期待します。
特記事項:14日目の報告通り、イトラコナゾールという薬を明日から一緒に飲むことになります。飲む量としては常用量の中では最小ですが、副作用が比較的出やすい薬で、その中に消化器症状があります。よってこれから「アライ」による副作用との区別がつきにくくなる可能性が出てきました。
また、基本的に「アライ」は食事改善と運動療法を併用することが前提であるため、以前より歩行数を1,000歩以上増やすようにはしています。

内臓脂肪減少薬「アライ」7日間使用経過報告

本来、「アライ」の効果発現までは4週間かかるらしいため、今回は脂便などの副作用がどのくらい出るかを参考にしてください。また私のスペックや基本生活習慣を記しておきます。そもそも元々内臓脂肪や体脂肪が少ない方は効きづらいですが、一応私は適応の範囲内には入っています。

【身体スペック】
身 長:159.5cm
体 重:59.5kg
   BMI23.4
体脂肪:25.4〜25.8%(男性は20%以下が目安)
腹 囲:90cm前後(アライ使用条件の85cmに適合)

【普段の食生活】
朝 食:なし
昼 食:パスタかそばかそうめんなどの軽食。
夕 食:豚カツやカレー系など揚げ物や脂っこいものが主体。なるべく野菜も摂る。
間 食:主に夕食後にナッツ類や高カカオチョコ、時にポテチやケーキ類など。
嗜好品:コーヒ1〜2杯/日。ビール150mL/日。糖分が入った飲料水は基本飲まない。

アライの作用機序を考慮すると、脂っこい食事を摂った時でしか服用する意義がないため、夕のみ1日1回服用することとします。

【日常活動】
運   動:苦手なためHIITを週に2〜3回のみ。
普段の活動:最近はずっと仕事を休んでいるため、ほぼ寝てるか座っている状態
歩 行 数:なるべく歩くようにしているが、平均4,500歩程度

【経過(初回夜服用の翌日を1日目とする)】
服用前日の腹囲:90.0cm
体重と体脂肪は毎日起床直後、トイレに行った後の測定値です。運動は基本しないため、参考の運動量として歩数を記録します。食事はほぼ上記通りです。

・1日目
体  重:59.9kg
体  脂  肪:25.8%
歩  数:5,452歩
便  通:硬さ普通で3回の排便。最初の便でかなり油が混じったものが出る。
特記事項:特になし。

・2日目
体  重:59.8kg
体  脂  肪:25.5%
歩  数:3,785歩
便  通:かなり軟便で3回の排便。最初の2回は油混じりのものが出る。
特記事項:放屁時に油が出てオムツに付着。夜にお菓子を相当量摂ってしまう。

・3日目
体  重:59.7kg
体  脂  肪:25.8%
歩  数:7,379歩
便  通:腹に軽度の鈍痛を伴い、下痢が続く。
特記事項:15時まで異常な眠気あり、昼食はゆで卵1個とトマトジュース一杯のみ。

・4日目
体  重:59.4kg
体  脂  肪:25.6%
歩  数:4,791歩
便  通:異常なし。
特記事項:前日飲・み・わ・す・れ・た

・5日目
体  重:59.6kg
体  脂  肪:25.8%
歩  数:6,674歩
便  通:異常なし。
特記事項:放屁時に異臭を伴った脂状の液体が出て、寝具と下着が汚染。

・6日目
体  重:59.7kg
体  脂  肪:25.7%
歩  数:2,516歩
便  通:朝の排便は良好。後2回は下痢。
特記事項:外食のため、またしても飲み忘れ2回目。服用後日初めて便に油混じらず。

・7日目
体  重:59.6kg
体  脂  肪:25.7%
歩  数:3,357歩
便  通:問題なし。
特記事項:口内にできものができ、食事がまずく感じる。先日神経を取ったせいか、どちらが原因か不明。経過観察。

【7日間(実際は5日間服用)継続後結果】
効  果:体重および体脂肪全く変化なし
副  作  用:特に2〜5日目辺りに、便に多くの油が混じり、放屁時にも油放出が数回。続く下痢もあったが、1週間も期限が切れた豚肉を食べたせいかどちらかは不明。
感  想:絶対必要という薬ではないため、どうしても忘れがち。スマホ入れか財布に常に入れいれて持ち歩くべきでしょう。最初の5日間は特に、オムツか便通パッドは必須。外出時に油が漏れた時は臭いは気にならないと言われましたが、常に仕事や学校に通っている人はさすがに厳しいのでは?と感じました。この副作用は消失してくるらしいので、最初の1週間はまとまった休みがあるときに試すと良いと思います。
特記事項:本剤の作用機序上、油性ビタミンも流出のため栄養不足の懸念もありますが、今のところ便通など消化器症状以外は異常がないため、マルチビタミン剤の補給はしていません。

これが頭痛の種類・最新の治療対策完全版!! Part.2

No.11-2 頭痛シリーズ②

目次(Part.2は5.頭痛の有効な治療法以降の項目が記述されています。)

  1. 頭痛にはどのような種類があるの?
    ⑴一次性頭痛
     a. 緊張型頭痛
     b. 片頭痛
     c. 群発頭痛
    (2)二次性頭痛
  2. 一次性頭痛と二次性頭痛はどう判別されるの?
  3. 小児や思春期に起こる頭痛はどういうものなの?
    ⑴小児および思春期の片頭痛
    ⑵小児および思春期の慢性連日性頭痛
    ⑶小児および思春期の二次性頭痛 
  4. 頭痛の予防療法というのはどう言うものなの?
    (1)緊張型頭痛の予防療法
    (2)片頭痛の予防療法
    (3)群発頭痛の予防療法
  5. 頭痛の各タイプごとに有効な治療法を教えて!
    (1)緊張型頭痛の急性期治療
    (2)片頭痛の急性期治療
    (3)群発頭痛の急性期治療
  6. 妊娠・授乳中の治療はどうしたら良いの?
  7. 薬剤に頼らない治療法はあるの?
  8. 何かおすすめの漢方薬はある?
  9. 頭痛のまとめ!!

5.頭痛の各タイプごとに有効な治療法を教えて!

(1)緊張型頭痛の急性期治療
緊張型頭痛の治療方法は、頭痛のタイプによって異なります。たまにしか頭痛が起こらない「稀発反復性緊張型頭痛」では、基本的には特別な治療を必要としません。しかし、「頻発反復性緊張型頭痛」と「慢性緊張型頭痛」は、日常生活に支障をきたす場合が多く、これらのタイプでは治療が必要となります。治療方法は、急性期治療と前述の予防療法に大別され、それぞれ薬物療法と非薬物療法があります。
a.薬物療法
主にアセトアミノフェン製剤や、ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs、例:ロキソプロフェン)などの鎮痛剤を使用します。筋弛緩薬のチザニジンも用いられることがありますが、トリプタン製剤は適応外であり使用しません。ただし、鎮痛剤の頻繁な使用(週に2〜3回以上)は、薬物乱用頭痛のリスクがあるため注意が必要です。慢性緊張型頭痛でも、ストレスなどの心理的要因が多いため鎮痛剤が効かないことが分からず多用することで、薬物乱用頭痛を引き起こしやすくなります。
b.非薬物療法
精神療法や行動療法、理学療法などがあり、一部予防療法と類似したものとなります。
①精神療法および行動療法
・バイオフィードバック療法
認知行動療法(マインドフルネス)
・リラクセーション
催眠療法
理学療法
・運動プログラム(頭痛体操)
・マッサージ、頚部指圧

(2)片頭痛の治療
急性期の治療は主に薬物療法が中心となります。理想的な治療薬は以下の条件を満たすことが求められます:速効性、一貫した効果、再発の防止、追加投薬の不要、副作用の最小化、経済的な負担の軽減。
【治療薬の一覧】
カロナールアセトアミノフェン/市販品有)
効果はやや他より劣るものの、安全性と価格を考慮し、軽度ならば第一選択薬の一つとされています。
②非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs):ボルタレン(ジクロフェナク)、ナイキサン(ナプロキセン)、セレコックス(セレコキシブ)、ハイペン(エトドラク)、ポンタール(エフェナム酸)、ロキソニン(ロキソプロフェン/市販品有)など
片頭痛の痛みや随伴症状を効果的に抑えます。安全性が高くコストも低いため、軽度から中程度の痛みに推奨されます
③クリアミンA、クリアミンS(エルゴタミン・カフェイン配合剤)
頭痛の発生が少なく、早期の服用で効果が得られる場合、またはトリプタン製剤でも頭痛の再発が問題となる場合に適しています。
④トリプタン製剤:イミグラン(スマトリプタン)、ゾーミッグゾルミトリプタン)、レルパックス(エレトリプタン)、アマージ(ナラトリプタン)
片頭痛の急性期治療薬として、NSAIDsよりも推奨されることが多く、経済的負担を除けば理想的な治療条件をほぼ満たします。ジェネリックも利用可能です。服用タイミングは、軽度の症状または発作初期の服用が効果的です。
⑤制吐剤:プリンペラン(メトクロプラミド)、ナウゼリンドンペリドン
悪心や嘔吐を伴う際に不可欠で、他薬剤の吸収を改善する効果もあります。ただし、制吐剤のみだと効果に限りがあるため、他の鎮痛薬との併用が望ましいでしょう。
⑥その他の薬剤
オピオイド(麻薬性鎮痛剤):トラムセット(トラマドール/アセトアミノフェン配合剤)
効果は認められていますが、長期に渡り続けることで薬物依存のリスクがあり、トリプタン製剤の効果を低下させる可能性があるため、慎重に使用すべきです。
漢方薬長年の使用により安全性は確認されており、各自の体質に合わせると最大限に効果を発揮します。詳細は後述7.の項で説明します。
【NSAIDsとトリプタン製剤の比較】
トリプタン製剤は、効果が高く再発率が低いことが確認されています。ただし、特有の副作用では「胸部症候群」があり、症状としては首や胸などの圧迫感や息苦しさ不快感が現れます(ほとんどは自然消失します)。効果や再発率、有害事象を総合的に考慮すると、トリプタン製剤の使用が推奨されています。また、両方の薬を併用すると効果が高まることが報告されています。
【薬剤の選択】
片頭痛急性期において治療薬を選択する上で、一般的には「step care(段階的治療)」と「stratified care(層別治療)」の考え方があります。個々の経済的状況や薬の相性を考慮し、適切な選択肢を見極めていくと良いでしょう。
・Step care(段階的治療):最初は安全性が高く、費用のかからない薬から治療を始め、効果が見られない場合にトリプタン製剤などのより効果的な治療法に移行します。
・Stratified care(層別治療)片頭痛の痛みや日常生活への影響の程度に応じて、治療薬を選択します。

(3)群発頭痛の治療
現在では、スマトリプタン皮下注射酸素吸入による治療が最も推奨されています。
a.スマトリプタン皮下注
通常用量を投与後、5分後ですでに74%の方に頭痛軽減が見られ、10分経過すると3割強で頭痛消失が認められました。よって、かなりの即効性があり、高い有効性があるとも言えます。
b.酸素吸入
吸入後3分から改善が見られ始め、平均15分間程度の吸入で頭痛消失が認められています。現在において在宅酸素療法は、群発頭痛発作が平均月1回以上あれば、保険適用が認められています。

目次に戻る

6.妊娠・授乳中の治療はどうしたらいいの?

妊娠中や授乳中の女性が片頭痛治療を必要とする場合、特に注意が必要であり、医師や薬剤師の指導のもと慎重に治療を行わなくてはいけません。
(1)妊娠中の治療薬
a.妊娠中の急性期治療薬
アセトアミノフェン製剤:急性期で治療が必要な場合には、経験的に最も使われています。ただし、長期使用で弊害の可能性もあるため、安易な漫然とした使用は避けるべきです。
・メトクロプラミド:妊娠中の悪心に対しても積極的に使用する薬剤です。
・トリプタン製剤:妊娠初期における使用による明確な催奇形性の増加の報告はありません。使用時には潜在的なリスクと利益を慎重に比較する必要があります。
b.妊娠中の予防療法
妊娠中では多くの方が、片頭痛の発作の回数が減少するため、予防薬を必要としなくなることが少なくありません。どうしても必要であればβ遮断薬最低限(30mg/日以下)のアミトリプチリンが用いられます。
(2)妊娠中避けるべき薬剤
NSAIDs:特に妊娠後期では胎児に動脈管の早期閉鎖が起こりうるため、服用してはいけません。
エルゴタミン製剤:子宮収縮作用があるため、通常用いられません。
バルプロ酸:胎児が発達障害を起こすリスクがあるため、避けることが推奨されます。やむを得ず服用する方は、用量依存であることを考慮します。
・ACE阻害薬およびARB:胎児奇形や他のリスクもあり、妊娠中は禁忌で服用してはいけません。もし、妊娠に気づいたら直ちに中止してください。

(3)授乳中の治療
一般的に使用されている片頭痛治療薬の多くは、授乳中でも使用可能だと言われています。また、RID(※5)が10%未満であれば、乳児への影響が少なく比較的安全です。
a.授乳中の急性期治療薬
アセトアミノフェン製剤やNSAIDsのうち、薬剤が母乳へ入っていく割合が少ない(さらに言うならRIDが少ない)薬剤を使用します。具体的に言うと、アセトアミノフェンイブプロフェン、ジクロフェナク、ロキソプロフェンなどです。
トリプタン製剤については、使用可能ではあると言われています。その中でも厚生労働省の一環である「妊娠と薬情報センター」においては、スマトリプタンとエレトリプタンが授乳中でも安心に使用できる薬と位置づられています。
授乳中の吐き気には、母乳に移行しにくいドンペリドンが推奨されています。
b.授乳中の予防療法
RIDが低い薬剤である、β遮断薬(プロプラノロール、メトプロロール)アミトリプチリンが推奨されています。

(4) 授乳中に避けるべき治療薬
母乳移行率やRIDが高く10%以上ある薬剤は控えるべきです。具体的には、鎮痛剤のアスピリンオピオイド(麻薬性鎮痛剤)、エルゴタミン製剤、β遮断薬ではアテノロール、抗てんかん薬ではラモトリギンやゾニザミド、筋弛緩薬のチザニジン、制吐剤であればメトクロプラミドがそれに当たります。

(※5) RIDはrelative infant doseの略語で、相対的乳児薬物投与量のことを言います。これは、母親が摂取した薬物の量を、体重に対してどれだけの割合で赤ちゃんが摂取するかを示す値を指します。この値が高いほど、赤ちゃんの摂取割合が高い薬剤と言うことです。

目次に戻る

7.薬物に頼らない治療法はあるの?

人によっては痛み止めなど苦手に感じたり、妊娠して薬が心配な方、薬物乱用頭痛で鎮痛剤を中止または減量しなければいけない方、そのような人に対して、有効性が期待できる治療法をいくつか紹介します。

⑴行動療法
頭痛は心や社会に関わる原因が多く存在します。ストレスがその主たるものです。現状を認識して、それらを断つことで症状を軽減します。
・リラクセーション:ラクセーションはストレスなどの心理的な反応を和らげることで、身体機能を自らコントロールし身体の緊張を緩和するものです。そうすることで、疲労や痛みなどを軽減させる様な多くの利点があります。
・バイオフィードバック療法:知覚しにくい反応や変化を機材などに測定し、それを視覚や聴覚により捉えやすい形にしてフィードバックする治療法です。トレーニングを反復することで、機材を使用しなくても自分で制御することを目標とします。
ラクセーションとバイオフィードバック療法を組み合わせることで、β遮断薬のプロプラノロールと同等の予防効果が見られ、より長期の有効性も期待できます。
認知行動療法心理的なアプローチによるもので、頭痛の引き金となる行動やパターンを特定し、それらを変えることで改善する治療法です。

(2)理学療法有酸素運動や鍼治療によるものです。この治療法は他よりもややエビデンスの面で不足しています。

(3)ニューロモデュレーション:この治療法は、特定の神経に対して微弱な電気刺激を与えることで、頭痛の頻度や強度を抑えるものです。特に慢性的な頭痛がある人や、従来の治療法で効果が見られなかった人にとって有効な選択肢となります。

(4)健康食品・サプリメントマグネシウムコエンザイムQ10、、ビタミンB2などが挙げられます。
マグネシウム片頭痛患者の脳では、マグネシウム不足が起きていると言う報告があり、補充療法が試されています。マグネシウム500mg/日を用いた試験で、バルプロ酸と同等の予防効果との結果も出ています。
コエンザイムQ10単独で用いた試験では、300mg/日摂取により頭痛発作頻度が50%以上減少したとのことです。一方、100mg/日摂取の試験では、効果があまりなかったものもあります。厚生労働省では推奨量が30mg/日、上限量が300mg/日を目安としているようなので、サプリとして相当量を摂取しないと効果がないことになります。また、コエンザイムQ10を30mg/日と脂肪燃焼サプリとしてよく使われているL-カルニチンを500mg/日とを併用しても、かなり有用な予防効果があることも報告されています。
ビタミンB2リボフラビン):反復性片頭痛患者に対して、ビタミンB2を400mg/日を3ヶ月間続けた試験では、発作日数や頻度が明らかに減少した結果が出ています。別の試験において、100〜200mg/日を摂取し続けたものでは有効ではなかった報告もあります。必要摂取量が1.2〜1.6mgであり、通常の食事ではとてもまかなえる量ではなく、頭痛の予防としては相当量を摂取する必要があります。

目次に戻る

8. 何かおすすめの漢方薬はある?

漢方薬については、まず1種類を1〜2ヶ月間試して有効性を確認します。変化がない場合は、他も試すことになります。また、複数を試したいという場合は、生薬の複雑な兼ね合いもあるため漢方医と相談してからにしましょう。

(1)呉茱萸
効果発現時期として2週間以内が多いことにより、片頭痛に対してはより早い効果が期待を持てます。慢性頭痛においては、片頭痛や緊張型頭痛にかかわらず高い有効性があります。特に、片頭痛の中でも、視覚前兆を伴う症例に対してより効果があったようです。また、片頭痛の慢性期には定期的な服用が必要ですが、急性期には頓服的な飲み方も効果はあるとのことです。

(2)桂枝人参湯
主には、胃弱傾向な慢性頭痛患者に対して効果的です。ただし、甘草が多めに入っているため、浮腫や血圧上昇などの偽アルドステロン症には注意が要ります。

(3)釣藤散
釣藤散は、慢性頭痛に対して高い効果を示すことが確認されており、特に動脈硬化が原因の慢性頭痛に有効です。この漢方薬は緊張型頭痛に対しても推奨され、定期的な服用が効果的とされています。また、胃が弱い方にとっても比較的安全に使用できるという特徴があります。

(4)葛根湯
葛根湯は通常、短期間の使用や必要に応じた頓服が一般的です。特に肩こりを伴う緊張型頭痛においては、頓服または朝1回の服用が推奨されています。ただし、葛根湯の構成生薬である麻黄にはエフェドリンが含まれており、これが副作用を引き起こす可能性があります。そのため、胃腸が弱い方、心疾患の既往症がある方、または不眠の傾向がある方は、使用に際して特に注意が必要です。

(5)五苓散
透析に伴う頭痛の一因として脳浮腫が考えられるため、水毒を解消する五苓散が効果的です。この処方は、透析患者のみならず、片頭痛、緊張型頭痛、および二次性頭痛など、多様な頭痛に対しても広く用いられています。通常は定期的に服用しますが、天候による頭痛の悪化が見られる場合には、服用量を増やすか、定期的に服用していない場合には、必要に応じて随時服用することも適切です。

目次に戻る

9. 頭痛についてのまとめ!!

  • 頭痛の治療を行う(受ける)際には、自分の頭痛がどのタイプか知ることがとても重要となる。タイプではない治療薬使用により、逆に害になることもある。
  • 頭痛は大きく、原因疾患のない一次性頭痛とある二次性頭痛の二つに大別される
  • 一次性頭痛には最も多い片頭痛を始めとして、緊張型頭痛、群発頭痛がある
  • 二次性頭痛には外傷、感染症精神障害によるもののほか、脳卒中など生命に関わるものが原因となることもある。
  • 鎮痛剤の飲み過ぎによる薬剤乱用頭痛もあるが、正しいケアで対処で予防できる
  • 緊張型頭痛の予防療法ではアミトリプチリン、治療は主に鎮痛薬のアセトアミノフェンやNSAIDsが有効、トリプタン製剤は無効。
  • 片頭痛の予防療法には最新の抗CGRP抗体なども出たが、かなり高価。治療は、NSAIDsなどの鎮痛剤、トリプタン製剤が中心。
  • 群発頭痛にはスマトリプタン皮下注、酸素吸入が有効。予防療法はCa拮抗薬のベラパミル、他炭酸リチウムなどがある。
  • 薬物によらない治療もあり、リラクセーション、バイオフィードバック療法、ニューロモデレーションなど様々な治療なものがある。
  • 漢方薬も体質に合えば有効であり、1種類ずつ1〜2ヶ月を目安に試行する。

目次に戻る

これが頭痛の種類・最新の治療対策完全版!! Part.1

No.11-1 頭痛シリーズ①

頭痛は国内でも数人に1人が持病としているに関わらず、その正しい対処法を知っている人はどのくらいいるでしょうか?市販の痛み止めを飲んでおけばそのうち治るだろう、ではいけません。頭痛のタイプにより効く薬は異なり、効かない薬を飲み過ぎて頭痛を悪化させることもあります。ここでは、一般的な頭痛のタイプであれば、予防療法から治療法まで全て網羅してあります。それでは一緒に学んでいきましょう!

目次(Part.1は1〜4の頭痛の予防療法までの記載です)

  1. 頭痛にはどのような種類があるの?
    ⑴一次性頭痛
     a. 緊張型頭痛
     b. 片頭痛
     c. 群発頭痛
    (2)二次性頭痛
  2. 一次性頭痛と二次性頭痛はどう判別されるの?
  3. 小児や思春期に起こる頭痛はどういうものなの?
    ⑴小児および思春期の片頭痛
    ⑵小児および思春期の慢性連日性頭痛
    ⑶小児および思春期の二次性頭痛 
  4. 頭痛の予防療法というのはどう言うものなの?
    (1)緊張型頭痛の予防療法
    (2)片頭痛の予防療法
    (3)群発頭痛の予防療法
  5. 頭痛の各タイプごとに有効な治療法を教えて!
    (1)緊張型頭痛の急性期治療
    (2)片頭痛の急性期治療
    (3)群発頭痛の急性期治療
  6. 妊娠・授乳中の治療はどうしたら良いの?
  7. 薬剤に頼らない治療法はあるの?
  8. 何かおすすめの漢方薬はある?
  9. 頭痛のまとめ!!

1. 頭痛にはどのような種類があるの?
一言頭痛といっても様々なタイプがあり、それを知ることが対処をしていく上で大きな一歩となります。詳細に分類すると何と300以上にも分けられるようですが、ここでは、主要なものだけピックアップしていきたいと思います。

まず、大きく一次性と二次性の2つに分類ができます。頭痛の疾患要因があるかないかで分けられ、ないものを一次性頭痛、ないものを二次性頭痛と定義されています。

⑴一次性頭痛
そのものが病気であり、他に明確な原因や疾患がなく慢性的に続くタイプです。このタイプが頭痛の9割を占めており、その中でも「緊張型頭痛」、「片頭痛」、「群発頭痛」が頻度の高さから三大慢性頭痛と呼ばれています。

a. 緊張型頭痛
【有病率】三大慢性頭痛の中でも最多で、20%強とも言われています。
【前兆】前触れもなく、突然発症します。
症状】一般的には両側に症状が起き、頭がベルトで締め付けられるような感じが数十分から数日にかけて持続します。強さは軽度から中程度であり、悪心を伴わず光や音に反応するのが特徴です。
【悪化・誘発要因】首や頭周辺の筋肉にある血管が収縮することで痛みが起こります。具体的には、同じ姿勢を長時間取り続けたり、運動不足でそれが起こりやすくなります。また、目の疲労やさまざまなストレスなども一要因です
【病型】緊張型はその頻度により、反復性(月に15回未満)と慢性(3ヶ月を超え月平均15回以上)に、さらに、反復性を稀発型と頻発型に細分類します。細かい分類となりますが、この分類は治療を行う上でとても重要な意味をなしてきます
(ⅰ)反復性緊張型頭痛:頭痛の頻度が月に15回未満の緊張型頭痛です。
稀発反復性緊張型頭痛:頻度が月1回未満で、通常治療は不要となります。
頻発反復性緊張型頭痛:頻度が月1〜14回の緊張型頭痛です。
(ⅱ)慢性緊張型頭痛:数時間から数日間、さらには絶え間なく続き、少しの悪心や光・音に過敏に反応します。慢性緊張型頭痛は、高度な障害を引き起こす深刻な疾患です。

目次に戻る

b. 片頭痛
【有病率】比較的頻度の高いタイプで、8.4%ほどであり緊張型に次いで多いです。
【前兆】閃輝暗点という目の前でキラキラ光る現象や見えにくさがあり、これが最も一般的です。他にも、体の一部にピリピリ感や話すのが難しくなることがあります。時には、倦怠感やめまいも伴います。これらの症状は通常、5分〜60分続き、その後頭痛が始まります。頭痛が来る前に、予感や気分の変化、眠気、疲れ、集中力の低下、首の凝りなどを感じることがありますが、これは「予兆」として区別されます。
【症状】一般的には中程度〜重度であり、頭部の片側に脈打つような痛みが特徴で、4〜72時間も続くことがあります。ただし、名前の由来とは異なり、両側部に痛みが生じることも少なくありません。吐き気なども伴い、日常的動作で悪化しやすいため、寝込んでしまい学業や仕事にも多大な影響を及ぼすほどにもなります。
【悪化・誘発要因】一概に下記であるとはいえず、かなり各個人ばらつきがあります。
・精神的因子:ストレス、疲れ、睡眠の過不足
・内因性因子:月経周期・環境因子:天候の変化、温度差、におい、音や光
・ライフスタイル因子:運動、欠食、性的行動、旅行
・食事性因子:空腹、脱水、アルコール、特定の食品

目次に戻る

c. 群発頭痛
【特徴】夜間や睡眠中に起こりやすく、アレルギー様症状(目の充血、鼻汁や鼻閉、眼瞼下垂など)が伴うことが多いです。また、激しい頭痛が長く続くためQOL(生活の質)にも一番影響します。
【有病率】男性の有病率が女性の3〜7倍と多く、主な発症年齢は20〜40代です。確定診断までかなりの時間を要します。
【前兆】緊張型頭痛同様に前兆がなく、突然強い痛みが来ます。
【症状】眼周囲から前頭部や側頭部にかけて、激しい頭痛が数週間から数ヶ月続きます。
【悪化因子】アルコール飲料ヒスタミンニトログリセリン製剤で誘発されます。

⑵二次性頭痛:他の病気が原因で新しく起こる頭痛のタイプに分類されます。このタイプの頭痛は、時に生命にかかわる疾患が原因となっている場合があり、十分に注意が必要です。新規の頭痛が発生した場合は当然ですが、以前から存在する一時性頭痛が悪化した場合でも、一次性と二次性両方のタイプが存在することがあるため、一度診断を受けたからといって安心できません。
二次性頭痛の原因の疾患については、外傷、脳卒中脳梗塞くも膜下出血)、感染症精神疾患、目・耳・鼻・歯などの障害などが挙げられます。

⑶薬物乱用頭痛(MOH)
【特徴】薬剤治療を正しく行なっている限りは、ほとんど予防ができます。ただし、改善後1年以内に3割ほどの方が再発するため、治療後のケアも重要になりなす。
【有病率】年間有病率は1〜2%であり、中年層に多く女性が70%を占めます。
【悪化要因】痛みに対する不安から、痛みがないのに薬を早めに飲んだりすることで、脳が痛みに関して過敏になり、逆に痛みが悪化して薬の効果が薄まってしまいます。

目次に戻る

2. 一次性頭痛と二次性頭痛はどう判別されるの?

基本的に長期間継続した慢性化頭痛は一次性と判別しうるものですが、以下のような場合には二次性頭痛を疑い積極的に受診する必要があると推奨されています。

  1. 発熱を含む全身症状
  2. 新生物(腫瘍)の既往
  3. 意識レベルの低下を含めた神経脱落症状(※1)または機能不全
  4. 急または突然に発症する頭痛
  5. 50歳以降に発症する頭痛
  6. 頭痛のパターンの変化または最近発症した新しい頭痛
  7. 姿勢によって変化うする頭痛
  8. くしゃみ、咳、または運動により誘発される頭痛
  9. 乳頭浮腫(※2)
  10. 痛みや症状が進行する頭痛
  11. 妊娠中または産褥期
  12. 自律神経症状を伴う眼痛
  13. 外傷後に発症した頭痛
  14. HIVなどの免疫系病態を有する患者
  15. 鎮痛薬の使用過多もしくは新規薬剤による頭痛

(※1)脳の特定の部位が損傷したときに現れる症状。脳卒中脳梗塞脳出血)の場合にも現れ、発症した部位により症状が異なります。
(※2)目の奥にある視神経の出口である乳頭が外部との圧力差などで腫れてしまい、物が見えにくくなったり霞んだりする状態です。

目次に戻る

3. 小児や思春期に起こる頭痛はどういうものなの?

小児や思春期の頭痛は、一般的には成人と同様に辛いものですが、その特徴や生態にはいくつか異なる点があります。また、特に小児はその痛みを上手く表現できず、分かりづらいことも特徴です。男女の有病率差は、幼少時は男児が多く、歳を取るにつれて中学生以上になると女子の方が多くなっていきます。

⑴小児および思春期の片頭痛
小児の片頭痛は、前兆の有無によって異なるタイプがあります。小児の場合、痛みを言葉で表現することが難しいため、観察による判断が必要です。
【特徴】前兆のないタイプの片頭痛では、持続時間が約2時間からと比較的短いです。特徴としては、成人よりも両側性であることが多く、部位は後頭部でなく前頭や側頭部がほとんどです。また、睡眠によって痛みが軽減する傾向があり、翌日には登校できるケースも多くあります。
【前兆】周囲がぼやける閃輝暗点や、チクチク感などの感覚的な変化がみられることがあります。
【遺伝】片頭痛そのものは遺伝しないものの、類似した生活習慣や環境が発症の要因に関与すること(家族集積性)があり、家族内で多く発現することはあります。

⑵小児および思春期の慢性連日性頭痛
このタイプの頭痛は、社会的要因が関与しやすく、治療が難しい特徴を持ちます。
【特徴】頭痛が1日4時間以上持続し、月の半分以上の期間、3ヶ月以上続きます。不登校などの社会生活へ大きく影響します。
【判別】心理的要因が関与する場合もあり、保健室への通学回数が多い場合には注意が必要です。
【対応】仮病と判断せず、本人の問題を聞き出すことが重要です。問題解決によって改善することもあります。
【悪化要因】小学校低学年では月3〜4回であった頭痛の頻度が、ある時期から強度が上がり月の半分以上を占めるようになることもあります。これは、受験をはじめとする学業の問題、家族や友人などの人間関係の大きな変化によります。学業に大きな影響が出て、急激な成績の低下は頭痛の原因のこともあり得るほどです。

⑶小児や思春期の二次性頭痛
小児や思春期の二次性頭痛も有病率自体は低いです。要因が感染症であるものがかなりを占め、次いで外傷によるもの、あとは特別な疾患、視力障害と続きます。
感染症の要因の多くは、感冒などのウイルス性、次いで副鼻腔炎となっています。ほんのわずか割合ですが、脳腫瘍や脳血管障害なども原疾患としてあります。

目次に戻る

4.頭痛の予防療法とはどういうものなの?

ここでは「予防」についてではなく、専門的観点から「予防療法」について語ろうと思います。ここで言う予防療法は、頭痛の発作回数を減らしたり、急性期における薬の効き目を良くすることで、治療に近い予防法ということになります。

⑴ 緊張型頭痛の予防療法
緊張型頭痛の予防療法は、薬物治療と非薬物治療に大別されます。
a.薬物治療
反復性緊張型頭痛では、脳内の痛みを感じるシステムの改善に有効な抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬であるアミトリプチリンが最も推奨されています。
慢性緊張型頭痛の場合、鎮痛薬の使いすぎに注意し、適切な抗うつ薬による治療など予防療法への切り替えが推奨されます。特にストレスが原因で頭痛が悪化している場合、SNRIなど他の抗うつ薬の使用も検討されます。予防としてはアミトリプチリンが最も有効とされています。
b.非薬物療法
非薬物治療には、バイオフィードバック療法、認知行動療法、リラクセーション、理学療法などがあります。詳しくは後述(Part.2の7. 薬物に頼らない治療法はあるの?)を参照してください。

目次に戻る

片頭痛の予防療法
片頭痛発作が月に2回以上か、日常生活に支障をきたす強度の発作が月に3日以上ある方に予防療法が推奨されています。
また、片頭痛予防の主な目的は、反復性の頭痛から慢性片頭痛への進行抑制も含まれます
a.薬物療法
抗CGRP(※3)抗体・抗CGRP受容体抗体:エムガルティ(ガルカネズマブ)、
これらは比較的最近新たに加えられた予防療法で、海外ではすでに片頭痛急性期治療薬として内服薬が販売されています。作用からして血管収縮がないため、トリプタン製剤より安全ではないかと言われています。また、以下紹介する今までの片頭痛予防治療薬では効果がなかった場合においても、有効性が確認されています。ただし、治療費が相当高くなることはネックです。
てんかんデパケンバルプロ酸)、トピナ(トピラマート)、ガバペン(ガバペンチン)など
月2回以上発作のある方に対し、発作頻度を50%以上も減少させ、かつ頭痛強度を減少させたり、発作時間も短くしたと言う報告があります。
抗うつ薬トリプタノール(アミトリプチリン)本剤は古くから使用されており、抗てんかん薬と同等の有効性が示されています。他の三環系抗うつ薬や、SSRISNRIなどではエビデンスとしては確立されていません。
β遮断薬:インデラル(プロプラノロール)、セロケン(メトプロロール)など
通常は高血圧や不整脈の治療薬で、第一選択薬の一つです。頭痛持ちの方が高血圧など合併している場合、双方を治療できるという利点もあります。ただし、喘息の方は悪化の可能性があるため使用できないものもあり、喘息患者はβ1選択性をもつメトプロロールを使用します。
・Ca拮抗薬:ミグシス(ロメリジン)日本では20年以上も使用され実績もあり、特に前兆のある片頭痛にはよく使われかつ安価なこともあり、予防薬として勧められます。
・ACE阻害薬:ロンゲス(リシンプリル)、ARB:ブロプレス(カンデサルタン)など
通常は降圧剤として使われている薬であり、片頭痛と高血圧の両方を併せ持つ方も多いため、より片頭痛予防に有用であると言えます。ただし、これらは保険適応はありません。

(※3):CGRPとは片頭痛の原因とされているタンパク質であり、カルシトニン遺伝子関連ペプチドの略称。片頭痛の原因は未だ解明されておらず、その中でも有力な説の一つが「三叉神経血管説」です。この説では、ストレスなどにより三叉神経が刺激されることでCGRPが放出され、血管が過剰に拡張し周囲に炎症や痛みが起こるとされています。

b.非薬物療法
マグネシウムコエンザイムQ10ビタミンB2 などがあります。詳しくは後述Part2の7.薬物に頼らない治療法はあるの?を参照してください。

目次に戻る

⑶群発性頭痛の予防療法
Ca拮抗薬:ベラパミルは本来は不整脈など心臓の薬ですが、保険診療での適応外処方が認められています。また、ロメリジンもワソランに次いで予防効果が期待されます。
ステロイドプレドニゾロンなどを最初に大量投与し、徐々に減らしていく漸減療法が有効です。ワソランとの併用により、ワソラン単独よりも発作回数を減らせたと言う報告もあります。
エルゴタミン製剤:寝る前の短期間での服用が有効なこともあります。
炭酸リチウム:ベラパミルが効かなかった時に、慢性群発頭痛に対して使用できます。ただし本剤は中毒が出やすいため、少量から始め血中濃度を都度測定を受けることを勧められます。

目次に戻る

Part.2へ続く

日本初!内臓脂肪減少薬「アライ」!!その実力は如何なるものか?

No.10 日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」、その前評判は意外なことに?

日本で初めての内臓脂肪を減らす市販薬として、大きな注目を集めている「アライ」。ネットニュースやSNSでは、その導入が話題となっています。しかし、海外から個人輸入などで先行して使用している方々の間では、その評判は必ずしも良好とは言えないようです。このギャップは、どのような理由によるものなのでしょうか?

目次

  1. 「アライ」はどのようにして脂肪を減らすの?
  2. 「アライ」はどんな人に向いているの?
  3. 「アライ」の購入はどうするの?
  4. 「アライ」はどの程度の効果が出るの?
  5. 「アライ」によって何か害は出るの?
  6. 「アライ」と一緒に飲んではいけない薬はあるの?
  7. 「アライ」についてのまとめ!

 

1. 「アライ」はどのようにして脂肪を減らすの?

端的に言うと、「アライ」は食事からの脂肪吸収を妨げることで体内脂肪を減らします。食事から摂取される脂質は、糖質など他の栄養素と同様に長い鎖状で存在し、これらは酵素によって分解されて体内に吸収されます。脂質は特に、リパーゼという酵素によって分解されますが、「アライ」はこの酵素の働きを抑制し吸収されずに便として出されます。食事から摂取した脂質のうち、1/4程度を排出するようです。このため、脂質を多く摂取する人にとっては効果的です。一方で、甘いものが好きで内臓脂肪が気になる人には、糖質の分解を阻害する効果はありませんので、効果が薄いかもしれませんね。

目次に戻る

2. 「アライ」はどんな人に向いているの?

「アライ」の効果は一般的にどのような人に適しているのでしょうか?資料によれば、「アライ」は腹部に脂肪が蓄積している方の内臓脂肪を減少させる効果があるとされています。したがって、明らかにお腹周りが気になる方や、ビール腹のような見た目がある方にとっては効果的かもしれません。さらに、大前提として、「脂肪減少効果は基本的には食事や運動などの生活習慣の改善によるものである」とのことより、今まで生活習慣を正しているのになぜか痩せない・・・という人が特に向いているようです。一方、腹囲が普通であっても、体型をもう少し引き締めたいと考えている方には効果が少ないかもしれません。ここでいう「太め」とは、男性で腹囲が85cm以上女性で腹囲が90cm以上という基準です。したがって、思ったより平均よりも相当に腹囲の大きい方という印象がありますね。

「アライ」の作用メカニズムを考慮すると、そこまで腹囲の大きい方でなくても、揚げ物やスナック菓子など脂肪の多い食品をよく摂取する方に対しては効果が期待できるかもしれないですけど、どうなんでしょうか?

目次に戻る

3. 「アライ」の購入はどうするの?

「アライ」は要指導医薬品というカテゴリーに属しています。要指導医薬品は、対面販売が義務付けられています。つまり、Amazon楽天市場などのインターネット経由では購入できず、薬剤師が常駐する薬局や薬店で、薬剤師からの説明や指導を受けた後に購入する必要があります。
購入の条件として、以下の3つが挙げられます。まず、①18歳以上の方、②特定の腹囲基準を満たす方(先述の項目を参照)、③運動や食事などの生活習慣改善を実践している方です。特に条件③では、購入前の1ヶ月間の生活習慣の改善がなされているかの記録の確認が求められます。さらに購入後も生活習慣の改善記録を記録する必要があるようです(これらの条件を満たさない場合、次回の購入ができないないようです)。
ここで個人的には、おいおい面倒くさすぎじゃね?と感じました。そもそも自分でこういう管理ができる人は、体型を保てているでしょう。むしろだからこそ、このような条件をつけているのは分かりますが。正直「アライ」を必要としている方は、生活習慣改善チェックを適当にやるかやらないのではないかと思っています。

目次に戻る

4. 「アライ」はどの程度の効果が出るの?

なにはともあれ、効果がどれほどなのか?が一番気になるところでしょう。同メーカーによると、摂取後4週間から効果が期待でき、1年間かけると内臓脂肪面積で約21.5%、腹囲で4.8%の減少(※1)が確認されているとのことです。腹囲はそこそこですが、内臓脂肪に関してはなかなかの減少率なのではないでしょうか?

以下メーカーHPより、プラセボ(偽薬)群と比較した表を記したので参考にしてください。

内臓脂肪面積 12週間 24週間 最終評価時
プラセボ -2.28% -5.78% -5.45%
アライ群 -6.79% -14.10% -13.50%
腹囲 4週間 12週間 24週間 最終評価時
プラセボ -0.17cm -0.87cm -1.63cm -1.53cm
アライ群 -0.62cm -1.38cm -2.49cm -2.41cm

※1:  1年間継続して「アライ」の服用と生活習慣の改善を行なった場合。上記表における臨床試験の最終評価は24週間継続後、12週間生活習慣の改善のみを行った場合です。

目次に戻る

5. 「アライ」によって何か害は出るの?

「アライ」の成分であるオルリスタット自体は、体内にほぼ吸収されないため化学的な意味での害は少ないです。肝障害や腎結石などが副作用としてあるようですが、気に留めておくだけでそこまで気にしなくても良いでしょう。

むしろ気にすべきは、日常生活における実害です。「アライ」は海外では1998年から販売されており、海外からはすでに購入自体はできます。ネット上でそれらの方の服用した感想を見たのですが、相当やっかいな面もあることになるようです。以下それらの感想を踏まえて実害を挙げていきます。

⑴(放屁を伴う)便または油の漏れ
実害の中で1番ヤバそうなのがこれでした。日中など活動中に何気なくお尻から油が流れ出てきたり、放屁した際に油まみれの水様便が飛び出てくることがあります。しかも相当な臭いつきでも・・・。もちろん個人差はあるでしょうが、こんなことがしょっちゅうあるようで学業や仕事にかなり支障をきたすでしょう。また寝ている間も出てくるようで、高価なベッドを捨てる羽目になったという意見もありました。また、トイレも油まみれになり掃除がめちゃくちゃ大変になることもあるようです。
【対策】上記の症状は、特に服用早期に発現することが多く、次第に収まってくる傾向にあるようです。よって特に飲み始めは、脂っこい食事を控えると良いでしょう。また外出時で万が一出た時用に、オムツや便漏れパッドも必要かもしれません。

脂溶性の栄養素の流出
油を排出するということは、油に溶けやすいものも流れ出てしまうということです。具体的にいうと、脂溶性ビタミン(※2)の、ビタミンAやD、EおよびKなどです。特にビタミンE(βカロテンなど)が不足しがちになります。
【対策】脂溶性ビタミンの入ったマルチビタミン剤を補給することです。ただし、「アライ」継続中に同時に摂ると、結局また吸収が阻害されがちです。よって「アライ」とは2〜3時間ずらして摂るべきでしょう。

⑶生活習慣の改善の取り組みと確認
これは購入のたびに、わざわざ確認が入るのかはまだ不明ですが、相当煩わしさを感じる人も少なくないかと思います。もちろん生活習慣の改善自体は、とても重要であることはもちろんのことですが。

※2: ビタミンについてやその欠乏症など詳細は、以下の過去記事を参考にしてみてください。

spect1975.hatenablog.com

目次に戻る

6. 「アライ」と一緒に飲んではいけない薬はあるの?

シクロスポリン製剤(免疫抑制剤)、抗HIV剤(エイズ治療薬)、ワーファリン等の抗凝固薬が影響を多く受けるため、服用している方は「アライ」は併用できません(ワーファリンがいけない理由はビタミンK関連に対し、作用を増強することによる出血傾向のためだと思われるのですが、他に関係のある抗凝固剤があるのでしょうか?)。薬の効果が弱まったり強まったりして、体に著しい影響が出てしまう恐れがあるためです。

また、アミオダロン製剤(抗不整脈薬)、レボチロキシン甲状腺ホルモン剤)、抗てんかん薬、抗うつ薬ベンゾジアゼピン系薬、経口避妊薬も影響を受ける可能性があるため注意が必要のようです。

目次に戻る

7. 「アライ」についてのまとめ!

  • 内臓脂肪減少薬として、日本で初めて市販された薬である。
  • その作用は食事由来の脂分の吸収を1/4カットするものである。
  • 脂肪減少には基本は生活習慣の改善であり、「アライ」は補助としてのものでやせ薬ではない。
  • 要指導医薬品であり、購入は実店舗の薬局や薬店から、薬剤師の説明を受ける必要がある。ネットからの購入は不可。
  • 有効性は生活習慣改善と併用することで、1年間継続にて内臓脂肪面積が約21.5%減少する。
  • 弊害としては日常生活における実害が主であり、不定的にお尻から油を伴った便などが出て、臭いも伴うこともある。

最後に、個人的な意見としては、これを見て使おうと思う人はかなり少ないのではないのかな?という印象です。生活習慣の取り組みと記録は何とかなるでしょうが、油や便を伴う放屁が如何ともし難いですね。ただし、食事の摂り方でいくらか対応できたり、続ければ治まってはくるらしいので、もう少し多くの方の感想を待ちたいです。私も中年太りというか、元来脂肪がすぐついてしまうタイプであるため、ちょっとだけ使ってみようかなとは思っています。また今度使ってみた感想もブログに書いていくつもりです。みなさんは使ってみたいと思いますか?